医師の実態

研修医むけの医師求人のお話

医師はサービス業なのか

医師は、社会学の分類で言えば三次産業のうちのサービス業になります。しかし医療行為は飲食業やホテル業などの他のサービス業が提供する商品とは異なるものです。

医療という商品が一般の商品と決定的に違うのは、一般の商品が「欲求を満たす」ためのものであるのに対して、医療は患者さんを「不幸から解放する」ためにあるという点です。
患者さんは病気によって普段より苦痛を伴った状態にあり、その状態から脱するために医療が存在し、医師は診断と治療を行います。
病気が難治性で、根本的な治療ができない場合は少しでも苦痛を軽減するための治療を行います。

一般に資本主義では市場原理と呼ばれる商品の需給バランスで値段が決まりますが、医療の値段は需給バランスによって決まるわけではありません。
医療は確かに商品であり、患者さんは不幸から逃れるために医療という商品を病院まで買いに来ます。飲食店やホテルでお金を払う際、お客さんには通常の思考力があり、商品を比較して選択することができます。
しかし、不幸な状態にある患者さんは正常な判断力をしばしば失ってしまいます。冷静な視点で自分が受ける医療の価格を定めることはできません。
すなわち、医療行為に適正価格など本来は存在しないのです。

また、医療の価格を考える上でもう一つ重要なのは「情報の非対称」です。
医師は患者より病気についての知識が圧倒的にあります。一般の人が購入するものの中では最も顕著な非対称性が存在します。
通常、商品を買う際、買い手に知識があればそれが妥当な価格か想像できますが、患者さんにはそういったことは困難であると考えられます。「不幸から解放」されたい患者さんが、医師から高額な治療費を言われれば、信じて支払ってしまう人がたくさん出てきてしまうでしょう。

では、どうやって医療の価格は決まっているのかというと、それは国が決めています。
保険点数を介して医療の価格を決めているのです。医療の価格を国が決めることで、患者さんが支払う医療費が非倫理的に高騰することを防いでいます。
また、医療行為ができる人間を医師免許で管理することによって、医療の質を保証しています。

医療費が完全に自由化されることは今後も絶対にないでしょう。アメリカでは医療費もできるだけ自由化しようとした結果、医療費の高騰を招いてしまいました。この原因には、知識の非対称性以外にもいくつもの要素がありますが、いずれにせよ医療はその本質から考えて自由市場にはなり得ないと考えられます。

ここまでは医療と他のサービス業との違いを見てきましたが、今度は他のサービス業との類似点についてみていきます。
特に人口密集地域では、それに合わせるように多くの病院やクリニックが存在しています。患者側からすれば選択肢が多いことから、患者に好まれない医療施設は自然と淘汰されてしまう可能性があるのです。
そういった側面もあることから近年では、ほとんどの医療施設においてサービスのクオリティにも重点を置いていると見てよいでしょう。
医師の求人を出す時でも、通常の医療行為に関するスキルだけでなく、コミュニケーション能力を重視することでより良いサービスにつなげようというケースもあるようです。



制作者

つっきー

医師の実態や診療科選択のポイントなど少しでも役立てれば幸いです。

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